混沌とするキャラクター市場で、勝ち残るには何が必要となるのか。
東京・渋谷のあるアパレルビルの旗艦店。名だたるブランドの店舗が入居するこのビルに数年前、大きな変化が起きた。人気のゲーム企業や漫画雑誌など、キャラクターグッズのショップに特化したフロアが誕生したのだ。
一昔前であれば想像できなかった光景だが、それ以上に意外な事実が判明した。「この施設の売り上げ、実はアパレルフロアよりもキャラクターグッズのフロアのほうが大きいんです」。最近同施設で事業を始めた企業関係者は、そう打ち明ける。
近年ゲームや漫画といったコンテンツを扱う企業の業績が好調だ。2021年3月期はゲーム大手グループ7社のうち、4社が過去最高益を更新。集英社、講談社と漫画に強い出版大手2社も、直近年度で大幅な増益を達成した。
出版社やゲーム各社は、作品のキャラクターや世界観といったIP(知的財産)を用いたエンタメ・コンテンツ領域での事業の拡大や、企業に対して商品や広告・販売促進活動などでIPの使用を認めるキャラビジネスに力を注いでいる。冒頭のキャラクターグッズのフロアもその一環だ。
そんなキャラクター市場の過熱ぶりを追っていくと、出版社やゲーム企業のビジネスモデルがあのアメリカのウォルト・ディズニーに自然と近づいていることが浮き彫りになった。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
無料会員登録はこちら
ログインはこちら