近年、ゲーム事業について「デバイス軸からIP軸へ」のシフトを掲げてきたセガ。カギを握るのは「ソニック」など古株IPだ。

ゲーム事業が好調のセガ。看板IPの「ソニック」を軸に、マルチメディア展開が加速している(撮影:梅谷秀司)
セガサミーホールディングスは2022年3月期、好調のゲーム系事業で3期連続の営業増益を見込む。その牽引役となっているのが傘下の名門ゲーム企業・セガだ。
同社は12月10日、アメリカ・ロサンゼルスで開催されたゲームイベント内で、2022年冬に「ソニック」の新作ゲーム「ソニックフロンティア」発売を決定。ソニックブランドは2022年にハリウッド2作目の映画が公開となり、ネットフリックスで新作アニメシリーズも配信が予定されるなど、メディアミックス戦略が加速している。
ゲーム各社が同様の戦略に傾く中、セガはソニックをベースに激しい競争を勝ち抜けるのか。今後の戦略を内海州史副社長に聞いた。
世界のIT大手がゲームとキャラIPに関心
――ゲームに縛られないソニックIP(版権)の展開が目立ちます。
1988年発売の家庭用ゲーム機「メガドライブ」時代のIPを、映画・ゲームの側面から再び活性化させようとしており、その中心はソニックになる。
例えばマーベルはスパイダーマンをどんどん新しくしているが、名前は変わらない。(スパイダーマン以外の)新しい作品も、マーベルらしさを兼ね備えている。セガもゲーム業界のマーベルになれる。
今、ゲームのエコシステムが変わってきて、マイクロソフトやグーグル、アマゾン、ネットフリックスなど、さまざまなIT企業がゲームに興味を持っている。その中でIPの需要が非常に盛んになっており、とくにファミリー層をターゲットにするようなチャンネルやサービスを考えたときに、ソニックはなかなか有効なIPなのではないか。
――本来、セガはゲームの会社でした。ソニックIPを強化する流れで、セガの姿はゲーム会社から変化していくのでしょうか。
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