2021年10月の衆議院選挙で、自民党は防衛費をNATO(北大西洋条約機構)並みのGDP(国内総生産)比2%以上へ増額すると公約として発表した。問題は、何を数字の基準とするのか、だ。政府の算定方式だと防衛費は20年度で0.9%だが、NATOの基準で算定すれば1.2%。どちらの基準を取るのか、筆者は岸信夫防衛相に聞いたが明確な回答は得られなかった。
しかも、日本の防衛費は第2次安倍晋三内閣以来、翌年度予算と当年の補正予算が一体化している“不明瞭会計”だ。本来、補正予算はコロナ禍や自然災害など、予算編成時に想定していなかった支出に手当てすべきものだ。
ところが、航空機など本予算で調達すべき装備を補正予算で調達している。これは財政法第29条に抵触する可能性がある。21年度の補正予算は7738億円だが、そのうち7329億円が“お買い物予算”だ。概算要求もまた第2次安倍内閣から金額を明示しない「事項要求」が設けられてその額を過少に見せている。
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