かつて「女子大生のバイブル」と称された女性誌が苦境に陥っている。廃刊や発刊ペースの変更が相次ぐ中、多くの媒体がデジタル戦略に活路を見出そうとしている。
女性誌の苦境が深まっている――。
出版指標年報によると、月刊女性誌の推定発行部数は2020年に9997万冊に落ち込み、3年連続で2桁減となった。直近では『ミセス』(文化出版局)や『andGIRL』(廃刊当時はエムオン・エンタテインメント)などが休刊に追い込まれたほか、『HERS』(光文社)のように月刊誌から季刊誌へ発行ペースを落とした有力誌も少なくない。
中でもインパクトがあったのが、『JJ』(光文社)の月刊発行終了だ。同誌は2021年2月号をもって不定期刊行にシフトし、WebやSNS、動画サイトなどデジタルサービス・コンテンツに軸足を移している。
生まれ変わる「女子大生のバイブル」
JJは1975年の創刊以来、20代をターゲットに「女子大生のバイブル」と称されるように月刊発行を続けてきた。部数は毎号数十万部を記録し、光文社にとってもドル箱事業だったという。
JJ・CLASSY.事業部の原さやか事業部長は「大学のクラスでの回読も含めた媒体の接触率は、100%近い時代もあったはず」と振り返る。
しかし、スマホの普及やリーマンショックなどの影響が折り重なり、2010年ごろから広告主の雑誌離れが加速。2019年上半期(1~6月)の販売部数は5万部を割った。撮影スタジオやロケバス、ヘアメイク、カメラマンの手配など、ファッション誌は1号当たり数千万円の制作費がかかるため、次第にビジネスモデルが成り立たなくなっていく。
不定期化の議論が加速したのは2020年に入ってからだ。
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