総合商社の丸紅が講談社らと組んで新会社設立の協議を始めるなど、出版流通改革が大きく動き出そうとしている。出版流通の要となる取次はどう考えるのか。日本出版販売のトップを直撃した。
出版流通が止まってしまう
――丸紅と出版大手3社による構想の発表をどう受け止めていますか。出版社から見た取次のパートナーとしての位置づけが弱くなっているように見えます。
僕も(同じように)思っている。
「このまま自分たちの流通を日販と(取次2強のもう一角である)トーハンに任せていいのか」と、出版社に懸念されているのではないか。そう思われるのは本意でない。自社の収益を確保しつつも改革を進め、出版社と書店のために出版流通をよりよい形に変えていきたい。
(丸紅など)4社が発表で述べているのは、われわれがやろうとしている流通改革の柱と同じ内容だ。彼らが持つ市場データをきちんと整理して、それを効率的に使えるようにすると。なので、どんどんやってもらいたい。丸紅が(物流子会社などの)流通機能を持っているため、どういう形でやるのか心配だが……。
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