2030年度の電源構成見通しはつじつま合わせ。日本の迷走ぶりを如実に示す。
コロナ禍の影響で2年ぶりの開催となったCOP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)で、主な議題の1つとなったのが石炭火力発電の扱いだ。
できるだけ早期の廃止を目指す欧州と、経済発展のために活用余地を残したいインドや中国、豪州が対立。会期を1日延長しての激論の末、石炭火力を「段階的に廃止する」という合意文書の文言は「段階的に削減する」へと修正された。
温室効果ガスの排出量が多い石炭火力をめぐっては、欧州を中心に早期廃止を表明する国が増えている。フランスが2022年、英国が24年までに全廃するほか、比較的依存度が高かったドイツも38年までとした全廃時期を早められないか検討を進めている。
COP26の期間中に議長国・英国が提案した声明では、時期を区切った石炭火力廃止に40カ国以上が賛同した。
こうした動きに対し、日本はアジア各国と同様、石炭火力の廃止に慎重な姿勢を見せている。資源エネルギー庁によると、19年度の電源構成のうち、石炭は32%。LNG(液化天然ガス)などと合わせた化石燃料の割合は76%にも上る。30年度の電源構成目標でも石炭を約2割残すとしている。
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