日本でも対岸の火事ではない電力不足。安定供給に暗雲が垂れ込める。
東京電力管内の来年2月の電力供給予備率は「マイナス0.3%」。2021年5月に経済産業省の審議会で示された今冬の需給見通しは、電力業界関係者に衝撃を与えた。
電力の重負荷期である夏と冬の需給がどうなるのかはあらかじめ試算される。ここで出てくる供給予備率が安定供給を確保できるか否かの目安だ。8%程度あれば望ましいとされる。
だがこの審議会で示されたのは、厳冬だった場合、東京エリアの22年1、2月の予備率はマイナスになるというショッキングな試算だった。つまり、電力の供給力が足りないということだ。
要因の1つは電力各社の発電所の補修予定が重なっていることだ。全国の電力供給を調整する「電力広域的運営推進機関(広域機関)」は電力各社に文書を送付し、補修時期の調整に奮闘した。だが、それでも安定供給に最低限必要な3%の予備率を確保するには至らなかった。
そこで東京電力パワーグリッドが追加供給力を公募し、JERA(ジェラ)(東京電力フュエル&パワーと中部電力の共同出資)が建て替え予定で運転を停止していた姉崎(あねがさき)火力発電所5号機を急きょ運転することとした。これで厳冬想定の1、2月でも、何とか3%の予備率を確保できる見通しが立った。
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