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「持たざる国」がどう生き残るか 「エネルギー戦略に意志を持て」 インタビュー/日本総合研究所会長 寺島実郎

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緊張感が高まるエネルギー地政学、そして脱炭素の潮流。日本の解決策は。

てらしま・じつろう 1947年生まれ。米国三井物産ワシントン事務所長、三井物産常務執行役員などを経て2016年6月から現職。多摩大学学長も務める。著書多数。(撮影:尾形文繁)

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エネルギー危機の中で、「2050年のカーボンニュートラル」を目指す日本。寺島実郎・日本総合研究所会長は「欧米主導のゲームには勝てない」と警告する。

[3つのポイント]
・日本は資源価格高騰の負の影響が大きい
・欧米に振り回されない主体的な戦略を持て
・利害を共有するアジアの国々と連携せよ

──資源価格が急騰しています。

日本がいま気づかなければいけないのは、エネルギー価格の高騰が相当な危険水域に達してきたということだ。原油価格は昨年一時マイナス(先物価格)になったが、足元は1バレル=70~80ドル台になり、そこへ円安が拍車をかけている。12年と比べると3割円安が進行し、円建てベースの原油入着価格は驚くほど高くなっている。

「日本は輸出志向のものづくり国家だから円安のほうが有利だ」というのは工業生産力モデルに埋没した固定観念であり、今や輸入産業の背負う重荷のほうが大きくなった。昨年は食料とエネルギーを18兆円分も輸入しているが、その中でエネルギー危機が間近に迫っている状況だ。

──日本はエネルギー問題にどう向き合うべきでしょうか?

固定観念の中でのエネルギーの議論から、現実的かつ総合的なエネルギー問題への対応に思考をパラダイム転換しないといけない。

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