社会の多様化に合わせ、大学入試で問われる資質も多様化が進む。
受験生に人気の13私大。表を見ると、大学によって総合型選抜や学校推薦型選抜(推薦入試)を増やすか、一般選抜を重視するかの傾向がわかる。その比率を見るだけでも大学の方針がわかるが、「一般選抜の入試問題は受験生に宛てたラブレター」といわれるように、出題には「こんな学生が欲しい」というメッセージが込められている。それを読み解くことで、各大学の人材育成戦略が見えてくる。
一般選抜で大学入学共通テストも英語民間試験4技能テストも利用しない慶応義塾大学が発するのは「塾生を選ぶのは慶応義塾」という強い意志。もう1つの特徴は、試験科目に現代文や古文がないこと。小論文などの試験を課し、課題文を正確に読解することのほか、各自の考察を的確にまとめることを求める。受け身の理解力だけではなく、発信力も必要という考えだ。
対する早稲田大学は、文部科学省が推進する入試改革に呼応し、政治経済学部の一般選抜で共通テスト(「数学」必須)を全員に課すほか、日本語と英語の資料を読み、記述解答を行う「総合問題」を導入した。ボリュームのある論文を読み、意見を論述することが求められ、「大学で学問を行う」ための基礎力の有無を試す。
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