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「“ラジオ局"から脱皮する AM局の転換は意識しない」 黒坂 修 エフエム東京 社長

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くろさか・おさむ 1958年生まれ。81年早稲田大学法学部卒業、エフエム東京入社。制作部や営業部を経て編成制作局長などを歴任。2019年6月から現職。同年7月から全国FM放送協議会会長も務める。(撮影:梅谷秀司)
「TOKYO FM」の愛称で知られるラジオ局大手のエフエム東京。足元はコロナ禍で苦戦するが、海外のIT大手が相次いでポッドキャスト制作企業を買収するなど、デジタルにおける音声コンテンツ市場はむしろ有望視されている。オールドメディアであるラジオ局はどのようにこの波に乗るのか。黒坂修社長に今後の戦略を聞いた。

音声サービスAuDee月間ユーザー数

2020年に始めた新サービスの月間アクティブユーザー数(21年4月)。音声オンデマンドプラットフォームでは国内最大規模。

──巣ごもり需要で音声コンテンツ市場に追い風が吹きました。

在宅勤務で、PCやタブレット端末のディスプレーと向き合う人々から視覚を奪わない、音声コンテンツが歓迎された。コロナ前に東京で4%台後半だったラジオの聴取率は、5%台後半まで上がり、ラジオ番組をネット上で同時配信するサービス「radiko」の利用も確実に増えた。

そのうえ最近はリスナーから「建前が多いテレビよりもラジオのほうが面白いし発見がある」と褒められることが非常に多い。

ささいな言い間違いで発言者が“炎上”するインターネットの時代に、メディアの中心だったテレビの表現が過度に丸まりつつある。逆にラジオは、パーソナリティーが意見の角を丸めると支持されない、エモーショナルなメディアだ。私自身、この世界に40年にわたり身を置いてきたが、これほど“本音のメディア”という側面が評価された時代はなかった。

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