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宙ぶらりんのキオクシア 「金のなる木」は戦略不透明

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今なお東芝が4割の株式を持つキオクシアは「金のなる木」と目されている。

「IPO(新規株式公開)でも買収でも何でもいいから、戦略投資ができる体制を早くつくらないと」。日本の半導体業界関係者がそう指摘するのが、2018年6月に東芝から米投資ファンドのベインキャピタルなどの日米韓連合に売却されたキオクシアホールディングス(旧東芝メモリ)だ。かつての経営危機で債務超過に陥った東芝本体を救うべく、株式が売却され、持ち分法適用会社にすぎなくなった(東芝の債務超過自体は17年末の増資で解消)。

東芝が「今は経営に関与していない」とするこのキオクシアが、東芝の株主にとってもう1つの「金のなる木」と目されている。

というのも、東芝はキオクシアに再投資し今でも普通株の約4割を保有しており、その簿価は2861億円である。昨年10月に一度断念した上場計画では、昨年8月時点での当初の売り出し価格が1株3960円。もし株式市場でその価格がつけば、東芝が保有するキオクシア株式の価値は8327億円にもなる。首尾よく売却できれば配当などで株主にも還元することができる。計画時に東芝は保有分の2割を売却、税金などを引いた利益1000億円のうち500億円を株主還元に回すと宣言していた。

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