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外為法は買収の障害物か 経済安保と投資のジレンマ

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海外投資家を排除しても、国の安全保障に関わる事業を守れるわけではない。

東芝は原発の廃炉でも重要な役割を担う。事故のあった福島第一原発

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4月、英投資ファンドによる東芝買収提案が発覚した直後、梶山弘志経済産業相は会見で「個別企業の案件には答えない」と言いつつも、強い関心を持っていることを隠さなかった。

「原子力などの重要インフラや半導体、防衛に関わる事業などを実施する日本企業を海外投資家が買収する際には外為法に基づく届け出が求められる。今後、東芝において当該事業を継続し発展させることのできる体制が構築されるか、多大な関心を持って注視をしていく」

このときの買収提案はファンド自ら「暫時検討を中断する」としたことで、終息してしまった。東芝側の反発が想定以上に強かったからだ。同時に改めて注目されたのが、経済安全保障を担う企業と海外投資家との関係だ。

外為法(外国為替及び外国貿易法)では、国家の安全保障上の重要な業務を営む企業の株式を海外投資家が取得する際の規制を定めている。2020年5月に改正法が施行され、上場企業株を取得する場合の事前届け出(と政府審査)の基準が、従来の「10%以上」から「1%以上」に引き下げられた。

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