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ファンドが東芝を狙う理由 4000億円の儲けを生むLBOマジック

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プレミアムをつけて東芝買収を検討するファンドの皮算用とは。

(bee / PIXTA)

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1株5000円……。CVCキャピタル・パートナーズが東芝への初期買収提案で示した株価である。CVCに限らず東芝買収に関心を示すファンドは存在している(記事下囲み)。一部には6000円という声もある。

買収報道の前日の株価は3830円。5000円なら31%、6000円なら57%のプレミアムを乗せた水準。時価総額は前日株価で1兆7430億円だが、5000円なら2兆2750億円、6000円なら2兆7312億円になる。

それだけの巨費を投じてでも買収したい魅力が東芝にはあるのか。

「株価5000円なら買った瞬間に儲かる」と、米ゴールドマン・サックスのすご腕M&Aアドバイザーとして鳴らした早稲田大学ビジネススクールの服部暢達客員教授は言い切る。

カギは、プライベートエクイティー(PE)・ファンド(バイアウトファンドと呼ばれることも)が用いるLBO(レバレッジドバイアウト)スキームにある。

LBOとは、「買収先資産を担保に資金を調達する買収手法」だ。買収のために設立された特別目的会社(SPC)が、借金と自己資金を組み合わせて企業を100%買収する。買収後にSPCが当該企業と合併するため、買われた側は大きな借金を抱える羽目になる。

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