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担当者が語る、東武「車両解体場」ツアーの裏側 異例の“上級"ファン向け企画はなぜ生まれたのか

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廃車となる東武20000型の窓から車両解体作業にカメラを向けるツアー参加者(記者撮影)

行き先は車両解体場――。東武鉄道が特急車両を使った異例のファン向けツアーを実施した。

同社の特急車両と言えば、まず何を思い浮かべるだろうか。100系「スペーシア」は日光・鬼怒川エリアへ、浅草だけでなくJR新宿からも直通して多くの観光客を運ぶ東武特急の顔となっている。2017年にデビューした洗練されたデザインの500系「リバティ」は編成の併結・分割が容易で、さまざまな線区での柔軟な運用を武器に観光と通勤両面で利用されている。

一方、「りょうもう」で用いる200型は、日光などの世界的にも知名度が高い観光地への特急とは性格が異なる。“両毛”の名にふさわしく、赤城や足利といった群馬・栃木両県の地方都市にある駅を東京都心と結び、北関東のビジネス特急としての役割を担っている。車両のデザインも白を基調に赤のラインと、シンプルで機能的。金色に輝く車体まであるスペーシアのような派手さはない。

そんな東武の特急車両の中でも比較的地味な存在である200型は、1991年の運行開始から今年で30年。同社はこれを機に団体列車による「200型りょうもう就役30周年記念ツアー」を企画した。だが、その内容には筋金入りの鉄道ファンでも驚いたに違いない。車両基地での撮影会といった定番のコンテンツにとどまらず、行程に「北館林車両解体場(通称「北荷」)」が含まれていたからだ。北荷は一部の鉄道ファンには「車両の墓場」で知られる車両解体施設。そこに団体列車で乗り入れるという、とんでもない計画だ。

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