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なぜ実現?「全車種保存」ロマンスカー博物館 「歴史的車両」引き継ぎ30年、小田急の執念結実

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小田急「ロマンスカーミュージアム」に並ぶ歴代車両。右からLSE、NSE、SE(撮影:尾形文繁)

新幹線の開発に大きな影響を与えた歴史的名車「SE」、ロマンスカーのシンボル、展望席を初めて設けた「NSE」――。2021年4月19日開業の小田急電鉄「ロマンスカーミュージアム」には、同社が誇る歴代の特急ロマンスカーがずらりと並ぶ。館内に展示する実物車両は11両で、私鉄としては有数の規模だ。

これまで常設の展示施設を持たなかった小田急。だが、引退車両の保存については長年の歴史がある。過去には残念ながら一部が解体されるという出来事もあったものの、これまで地道に保存を続けてきた積み重ねがミュージアムに結実した。

ロマンスカー引退車種すべてが並ぶ

「最大の見どころは、まさに展示のロマンスカー。これだけ間近で見られるところはここしかないのでは」。運転士経験者で、同館の保存ロマンスカー全車種の運転経験がある高橋孝夫館長は胸を張る。

小田急線海老名駅(神奈川県海老名市)に隣接するミュージアムは2階建て。実物の歴代ロマンスカーが並ぶのは、1階に広がる「ロマンスカーギャラリー」だ。「初代」とされる1957年登場の「SE」3000形を筆頭に、展示しているロマンスカーは5車種計10両。SE以降、現在までに登場したのは10車種で、うち5車種は現役のため、引退した形式すべてがそろっていることになる。

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