安倍晋三政権から菅義偉政権に持ち越された大きな宿題が、習近平国家主席の国賓訪日だ。もともと2020年の「桜の咲く頃」とされていたが、コロナ禍によって見送りに。香港への国家安全維持法導入などで中国への反発が日本でも高まる中、先送りで日本政府は助かっていた。
中国は日本にとって最大の貿易相手国だ。また菅首相は30年にインバウンド観光客を6000万人に拡大するとした政府目標を堅持する考えだが、その柱は中国人観光客になるだろう。日米同盟を外交の基軸としつつ、中国との関係も損ないたくない。それが日本のジレンマだ。
安倍政権は習主席肝煎りの広域経済圏構想「一帯一路」に、透明性の向上など条件を付けつつ協力を表明した。一方で、米国がファーウェイ(華為技術)など中国のハイテク企業の製品を排除する場面では共同歩調を取ってきた。
だが21年には、こうした是々非々の対応を続けるのが難しくなる可能性が高い。米バイデン政権の下で部分的に修正が図られても、米中対立の構図はそう大きくは変わらない。
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