2020年9月に発足した菅義偉政権は確固たる政権基盤を確立できるのか。過去の経験則では、長期政権後の新政権は短命に終わったケースが多いため、この点への関心がいつになく高い。
現在の菅政権は猛烈な向かい風を浴びている状況だ。
新型コロナウイルスの「第3波」によって「Go Toキャンペーン」事業への批判が拡大したのに対し、菅首相が同事業の一時停止の判断を遅らせたため、火に油を注いだ。NTTドコモの大幅料金引き下げ決定などの携帯電話値下げ策が進展し、首相肝煎りのミクロ経済政策は国民の支持を得ていたが、それが帳消しにされつつある状況だ。
20年12月中旬のメディア各社の世論調査では、内閣支持率は40%台前半まで急落した。こうなると、菅政権は個々のわかりやすい政策をもって「着実に仕事をこなしている」印象を一段と国民に植え付けようとするだろう。菅首相のブレーン、竹中平蔵東洋大学教授が菅首相に進言した「アーリースモールサクセス」の実行を徹底するという方向性だ。
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