「オンライン対応力で差、指導書なぞる授業は淘汰」 インタビュー/西 和彦・元マイクロソフト副社長の教育論

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須磨学園 学園長 西 和彦(にし・かずひこ) 1956年生まれ。77年早稲田大学理工学部在籍中にアスキー出版(現アスキー)設立。79年米マイクロソフトの極東担当副社長、80年取締役新技術担当副社長。99年工学院大学で博士号(情報学)。2001年須磨学園の学園長、現在に至る。17年東京大学大学院工学系研究科IoTメディアラボラトリーの設立に関わり、ディレクター就任。須磨学園創立者の孫で、西泰子須磨学園理事長は実妹。(撮影:今井康一)

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週刊東洋経済 2020年8/29号
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神戸市にある中高一貫校、須磨学園中学校・高等学校は、新型コロナウイルスの感染拡大により対面授業が制約される中、オンライン授業を早期に開始した。学園を率いているのは、元米マイクロソフト副社長で、日本のITビジネス界を草創期から牽引してきた西和彦学園長だ。西学園長に学園のオンライン授業の対応、ICT(情報通信技術)教育のあり方について聞いた。

──須磨学園はかなり以前からICT教育に力を入れていると聞いています。

私がマイクロソフトにいたこともあり、須磨学園のICTに関してはパソコンが出てきた1980年代から推進してきました。

2000年前後にインターネットが普及してきたが、まずはそれを使った調べ学習を取り入れた。オンライン授業もその頃から試しています。当時はインターネットのスピードが遅く20秒以上の配信ディレーがあった。そういうことは試さないとわからない。一方で、カメラ2台で撮影して、「3Dで授業を配信」といったいろんな試みもしている。でも、「インターネットで授業を配信すること」がコアな部分だということはわかっていたので、それをひたすらターゲットにしました。

──須磨学園ではコロナ禍で、どのようなオンラインの授業対応を行ったのでしょうか。

まず入学式を中継で行いました。さらに始業式や生徒同士の対面式も中継し、その結果を受けて「これは授業もやらないといけない」と大号令をかけた。2、3日で授業を全部インターネットで配信できるようにしました。好評だったが、すべての授業を配信するのは教員への負荷が大きくものすごく大変でした。

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