復権したのには共通する3つの理由がある。コロナ禍で公立の存在意義はさらに高まりそうだ。

都立日比谷は学区撤廃と進学重点校化で優秀な生徒が集中。大学合格実績も上昇(撮影:尾形文繁)
高校の大学合格実績についてよく取材を受けるが、データから気づくことは、トップ公立校が実績を伸ばしていることだ。なぜ健闘できているのか。
個々の学校の努力が最も大きいことはもちろんだが、共通する理由として、「学区の撤廃ないし拡大」「進学重点校指定」「入試問題の高度化」の3つがあると考える。1つずつ見ていこう。
かつては、どこの都道府県でも普通科には居住地による通学区域の指定があった。それが規制緩和の流れを受けて学校選択の自由化を狙いとして2003年の東京都を皮切りに学区が撤廃されだした。現在、半数以上の都府県が学区を撤廃している。首都圏で学区が残っているのは千葉県のみ。近畿圏では滋賀県・大阪府・奈良県・和歌山県は撤廃されており、京都府・兵庫県は近年学区が拡大され、5学区となった。
その結果、学力に自信のある生徒が特定の学校に集中するようになった。実際、どの県でも、交通の便のよい学校、大学進学実績の高い学校に人気が集まるようになり、トップ校ほど厳しい入試になっている。
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