危険なうえ、経営難で待遇が悪化すれば人手不足に拍車がかかりかねない。

集団感染が起こった特別養護老人ホーム「北砂ホーム」。防護服を着た状態での陽性者の介護は重労働だ(提供:北砂ホーム)
「入居者の命をつなぐことしか考えていませんでした。『明日は必ず来る』。繰り返し職員同士でそう励まし合いました」
特別養護老人ホーム「北砂ホーム」(東京・江東区)の和田敬子施設長は、そう話しながら声を詰まらせた。
北砂ホームでは職員を含む51人の新型コロナウイルス感染が判明し、5人の入居者が亡くなった。初めて感染が発覚したのは、4月下旬のことだ。相次いで発熱した入居者のPCR検査を行った結果、2階に入居していた9人の陽性が判明した。その翌日、保健所の指導で2階に勤務していた職員全員が自宅待機となった。
2階の集団感染発生から1週間も経たないうちに、恐れていた事態が起きた。新たな陽性者が3階で判明し、3階の職員も自宅待機になった。
「そこから地獄のような日々が始まりました」(和田施設長)
介護職員が半分以下に
44人いる職員のうち出勤できるのは、たった6人。一方、入居者は減ったわけではない。症状のある陽性者は病院に入院したものの、施設には無症状の陽性者を含む約80人の入居者がいる。
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