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順次拡大だが実効性に疑問、公的支援はどこまで使えるか 申請の手続きをめぐるトラブルや支給の遅れが目立つ

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オンライン申請のパスワード再設定などのため、役所の窓口に多くの人が殺到した(朝日新聞社/時事通信フォト)

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新型コロナウイルスの感染拡大を受けて3月ごろから徐々に始まった営業自粛や休業は、緊急事態宣言が全国で解除された5月末まで長引くこととなった。

その間の経済的な打撃は、いまだに計り知れない。個人が経営する老舗飲食店の閉店や企業の業績悪化・リストラなど、すでにさまざまな影響が出ている。こうした状況の中、政府は新たな支援金制度の創設や、既存の制度の対象拡充を行ってきた。

中でも世論に押される形で実現したのが、「特別定額給付金」だ。国民1人当たりに現金10万円を一律給付する制度で、住民基本台帳に記載のすべての人が対象である。

緊急事態宣言発令当初は、減収世帯へ30万円の給付が閣議決定されていた。しかし、対象範囲が狭く審査が複雑なため、与党内からも批判が続出。公明党の山口那津男代表の要請も受け、首相は宣言の全国拡大を表向きの理由に、急転直下で一律10万円を決めた。

対象を限定しない一律の給付であれば、目の前の家賃や生活費に苦しむ人への応急処置となる。総務省も一律給付の目的を、「感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行う」と説明している。

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