今後の焦点は、離反説が流れる菅官房長官の去就だ。
今夏以降の政局を占ううえで見過ごせないのが、最近の新聞・雑誌をにぎわす「菅(義偉官房長官)バッシング」報道であり、その真偽である。
新型コロナウイルス感染拡大抑え込みに何とか成功した安倍晋三首相は5月25日、緊急事態宣言を全国において解除すると発表した。その直前に実施された毎日新聞の世論調査では内閣支持率27%、不支持率64%となり、朝日新聞の調査では支持率29%、不支持率52%となった。政権に厳しい数字が出るとされる両紙であるが、それにしても低い支持率である。さらにその後に実施された産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)の合同調査でも、内閣支持率36.4%、不支持率52.5%であった。
直接の原因は、『週刊文春』(5月28日号)が報じた「賭けマージャン問題」で、黒川弘務東京高検検事長が辞職を余儀なくされたことだ。安倍氏は、30代女性がつぶやいた「#検察庁法改正案に抗議します」というツイートがSNS(交流サイト)で著名人によって増幅され、最終的に500万超という抗議のうねりとなったことを軽く見ていたのではないか。検察庁法改正案および国家公務員法改正案の「束ね法案」を強行採決できず、事実上の廃案とせざるをえなかった。ネット世論の軽視である。
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