コロナ後を見据え、どう立て直すか。
安倍晋三首相は国会の閉幕を心待ちにしているに違いない。政府は4月30日に成立した歳出額約25兆7000億円の第1次補正予算に続き、5月27日、新型コロナウイルス対策を盛り込んだ総額約31兆9000億円の第2次補正予算案を閣議決定した。
政府や与党では、5月中旬まで、第1次補正の半分程度の10兆円前後では、と予想する声が強かった。首相が大幅増額に踏み切ったのは、第2次補正を6月半ばまでに成立させ、会期末の6月17日に「延長なし」で今国会を閉じたい意向の表れ、と映る。
なぜ国会を早く終わらせたいのか。コロナ襲来後の4カ月、政権運営と政策決定は失態の連続で、政権の劣化が表面化し、「コロナ危機」と「政権の危機」の2つの苦境に直面しているからである。
安倍首相は「結果がすべて」が口癖で、幅広い民意の吸収や熟慮・熟議、万機公論という民主主義の原理よりも、成果と実績を追求したがるタイプの指導者だ。現実にはその志向とは裏腹に、成果も実績も手にできず、「口ほどでもない」という印象も強い。とはいえ、コロナ禍という国家的危機では、政権担当者は平時以上に「結果」が求められる。
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