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必要なのは社会での役割の創出、ここまできた認知症ケア 近く1000万人時代が到来

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新薬の開発は当面期待薄の中、政府は予防重視を打ち出すが…。

施設前での卵の販売を手伝う、入居者の山本はる子さん。自然と笑みが漏れる(撮影:風間仁一郎)

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「とてもおいしい卵なので自信を持って売れる。販売の仕事はやり取りが楽しく、認められた感じがするのもうれしい」

介護業界大手のSOMPOケアが運営する介護付き有料老人ホーム「ラヴィーレ入間」(埼玉県入間市)に入居する山本はる子さん(90)は、そう笑顔を見せる。

ラヴィーレ入間では今年1月から毎月一度、施設前で地元名産の「たかはしたまご」の販売会を開いている。販売会の1週間前から、施設周囲にはそれを知らせるのぼりが立ち並ぶ。販売時間は1時間だが、近隣の住民を中心にリピーターが次々とやってくる。

販売を手伝っているのは、山本さんたち入居者だ。同施設では入居者90人のうち、予備軍である軽度認知障害を含めると、約半数が認知症だ。山本さんも要介護1でアルツハイマー型認知症だと認定されている。それでも普通に施設外に散歩に出かけることで顔見知りが増え、卵を買いに来てくれる友人もできた。

「施設内だけでケアを完結させるのではなく、地元に根付いて積極的に地域に出て行きたい」。ラヴィーレ入間の須田慶子ホーム長はそう力を込める。10月には古民家を間借りして、温玉かけご飯を提供するイベントを実施する予定。希望する入居者に、配膳など店内作業を担ってもらうつもりだ。

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