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『僕らはそれに抵抗できない「依存症ビジネス」のつくられかた』 『なぜ倒産 平成倒産史編』ほか

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デジタル製品の過剰使用は依存症か生活様式の変化か
評者・スクウェイブ代表 黒須 豊

『僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた』アダム・オルター 著/上原裕美子 訳(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)
[Profile] Adam Alter/米ニューヨーク大学スターン・スクール・オブ・ビジネスのマーケティング学科准教授。専門は行動経済学、判断と意思決定の心理学。ニューヨーク・タイムズ、『ニューヨーカー』など多数の出版物に寄稿、TEDにも登壇。著書『心理学が教える人生のヒント』はベストセラーに。

「ジョブズと“売人”に共通する教え」という強烈なフレーズから本書はスタートする。その教えとは「自分の商品でハイになるな」。ジョブズはiPadなどを売りながら、自分の子供にはその利用を制限していたという。ジョブズに限らずIT業界の大物たちは似たようなルールを取り入れているという。

著者は、子供にとってiPadなどのデジタルデバイスを使用することが、麻薬と同じくらい危険なことだと主張する。進化した最新テクノロジーを駆使したデバイスは過剰使用となりがちで、依存症になるというのだ。

ここで著者が問題にしているのは、iPadなどの特定の製品に対する依存よりも、行動に対する新しい依存症、すなわち「行動嗜癖(しへき)」についてである。

iPadをさまざまな用途に利用することでユーザーは喜びを得る。“いいね”ボタンを押さずにはいられない、運動系のモバイルデバイスを身に着けて時間を見つけては運動しないと気がすまないなど人それぞれだが、いずれにしても、以前は存在しなかったテクノロジーに依拠した行動嗜癖である。

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