国際交流基金 職員 田中洋二郎氏に聞く 『新インド入門 生活と統計からのアプローチ』を書いた

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たなか・ようじろう 1979年生まれ。明治学院大学国際学部卒業後、2005〜07年インドのジャワハルラール・ネルー大学大学院に留学、国際関係論修士号取得。07年国際交流基金に入職。11〜16年同ニューデリー日本文化センター駐在。現在、同日米センター上級主任。(撮影:尾形文繁)

貧困、差別、IT人材先進国、強烈な矛盾を放ち続ける国

13億人、10年以内に中国を抜いて人口世界一。GDPも10年以内に日本を追い越すと予想されるインド。その巨大市場に企業が熱視線を送っている。社会、経済、市民生活、さまざまなデータを挙げつつ、著者が触れてきた“ありのままのインド”を描く。

新インド入門:生活と統計からのアプローチ
新インド入門:生活と統計からのアプローチ(田中洋二郎 著/白水社/1900円+税/234ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──依然として、訳のわからない、混沌の国という印象なんですが。

強烈なイメージを放つ国ですからね。貧困レベルも、物乞いの数やアグレッシブさも激しい。一方で、数字のゼロを発見した国であり、米シリコンバレーの基盤を支えるIT人材供給国でもある。

──え、物乞いがアグレッシブ?

オート三輪に乗っていたとき、道端から物乞いが飛び掛かってきて、持ってたペットボトルを奪われた。それが空だったから、ふざけんなっ、と力いっぱい投げつけられて。堂々と物乞いしてくるし、成果がないと堂々と怒ってくるし。

──ところで今回、統計を用いたアプローチを試みたのは?

一度インドにまつわるイメージを壊してもらいたかった。道端の貧困だけ思い浮かべていると、今の経済大国インドが見えなくなる。数字は私の意見でも誰かの意見でもなく、事実を物語りますから。

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