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「デザインの力」で新たな価値観を示したい インタビュー/プロダクトデザイナー 柴田文江

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プロダクトデザイナーとして、何が使いやすいかを追究してきた。テクノロジーを柔らかいデザインに翻訳する思考の営み。そこにプロダクトデザインの醍醐味がある。

しばた・ふみえ●1965年生まれ。武蔵野美術大学卒。東芝を経て94年独立。エレクトロニクス商品から日用雑貨、医療機器、ホテルのトータルディレクションまで、インダストリアルデザインを軸に幅広い領域で活動している。2018年からグッドデザイン賞審査委員長。(写真:吉濱篤志)

柴田文江氏は、女性初のグッドデザイン賞審査委員長を務めるプロダクトデザイナーだ。オムロンの体温計「けんおんくん」やコンビのベビー用品、無印良品のソファなど、ユーザーの視点に立った、柔らかく使いやすいデザインに定評がある。人の暮らしに関わるプロダクトのあり方と身体性を反映した造形を追求してきたデザイン界の第一人者がいま考えていることとは。

──2018年度のグッドデザイン賞のテーマは「美しさ」。デザインの優劣を競うはずのグッドデザイン賞で、なぜこのテーマに?

そもそも「グッドなデザイン」を選ぶ賞ですから、美しいのは当然のことのように感じるかもしれません。でもデザインの力を用いれば新たなソリューションを提案できる。つまり、デザインによって、新たな製品や価値観が提案できるはずとの考えから、このテーマにしました。

単に色・形のよさや見た目のよさだけでなく、例えば取り組む姿勢、フェアであること、つながりを重視し上手にシェアできるシステム、社会や人を幸せに導くような新しい仕組み──。表面に表れる美しさだけでなく、デザインを支える思考のようなものを大事にしたいと考えました。

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