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「自動運転は30年前、すぐに可能だと思った」 インタビュー/画像認識AIの世界的権威 金出武雄
コンピューターに画像認識の“目”を与えた希代の研究者は、30年以上も前の1986年に完全自動運転を予見していた。技術論から学術界の現状、教育まで、縦横に語る。

かなで・たけお/米カーネギーメロン大学・ワイタカー冠全学教授。1945年生まれ。京大で工学博士号を取得、80年に渡米。以降、カーネギーメロン大で一貫してコンピュータービジョンを研究。2009年のブルース・ウィリス主演SF映画『サロゲート』に本人役で出演したことも。(写真:ヒラオカスタジオ)
1995年、1人の日本人が開発をリードした自動運転車が、米国東海岸のピッツバーグから西海岸のサンディエゴまでの4500キロメートルを走破した。デモの名は「No Hands Across America」(手放しで米国横断)。そんな“離れ業”を成し遂げたのが、ロボット研究の名門、米カーネギーメロン大学の金出武雄教授だ。
京都大学で世界初の、コンピューターによる人間の顔認識システムに関する博士論文を書き上げた後、渡米。以降35年以上にわたってコンピュータービジョン(画像処理・画像認識)とロボットの研究に没頭してきた世界的な研究者である。AI(人工知能)が発達した現代社会をどう見つめているのだろうか。
──米国横断の偉業から20年以上を経て、自動運転がようやく現実のものになろうとしています。
「Navlab」という名前で自動運転車の研究を始めたのが86年だから、もう30年以上。私は当時から自動運転はすぐにでも実現できると思っていました。
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