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「認知症薬は失敗しない、全身全霊を傾ける」 インタビュー/エーザイCEO 内藤晴夫

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大型のM&Aが巻き起こる中どう戦っていくのか。独自の戦略で異端の医薬メーカーを30年率いる胸中に迫った。

聞き手/大西富士男、井下健悟

ないとう・はるお/1947年生まれ。74年米ノースウエスタン大学経営大学院修了、75年エーザイ入社。研究開発本部長、常務、専務、副社長を経て88年に社長。2003年社長兼CEO。14年から代表執行役CEO。創業者・内藤豊次の孫。(撮影:尾形文繁)

認知症薬の開発は、米国のファイザーやイーライリリーなど、名だたる医薬品メーカーが相次いで失敗している。そうした中、脇目も振らずに開発を推し進めてきたのがエーザイだ。製薬業界では大型M&Aが繰り返し起きているが、同社はこうした流れとも距離を置く。異色の製薬メーカーは今後、どんな勝ちパターンを築こうとしているのか。創業家出身の社長として30年間、経営の舵取りを担ってきた内藤晴夫CEOに聞いた。

──武田薬品工業によるシャイアー買収(約6兆円)、米ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)のセルジーンの買収(約8兆円)など、グローバルで製薬の大型M&Aが巻き起こっています。

ビッグファーマ(巨大製薬会社)が業界の理想型だと考える人たちにとって、今、世界で起きているM&Aという行動原理は正当化されます。

だが、われわれの生き方は違う。もちろん安定的な成長は必要ですが、何兆円もの売り上げを目指し、「成長のための基本戦略はM&A」という生き方は目指していません。

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