さまざまな物事の評価には指標化の作業が必要となる。例えば、ランキングがそうだ。筆者たちが所属する大学についても、卒業生の就職率や研究者の実績などを基に格付けされ、メディアが「大学ランキング」として取り上げることはしばしばある。
「経済」の指標といえば、GDP(国内総生産)が最たる例だ。経済的な豊かさを国や地域で比較するとともに、各国の経済政策上の目標として、これまで広く利用されてきた。しかし、私たちが真に望む豊かで持続可能な社会を、モノの豊かさのみに焦点を合わせたこれまでの経済指標の多くで反映できているのか、疑問が残る。
経済・社会の持続可能性は、世界各国の科学者や財界人によって構成された「ローマ・クラブ」が、1972年に「成長の限界」と題する報告書を発表して以来、世界中で議論されてきた。
国連は2015年に持続可能な開発目標(SDGs)を設定し、目標の達成に向けた施策を模索し続けている。SDGsにおいて「持続可能性」とは、「将来世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、現役世代のニーズを満たすような成長」と定義される。
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