日経平均株価がバブル経済崩壊後の1991年11月以来の株高となるなど、日本経済は順調に見える。『会社四季報2018年4集 秋号』では、前期比の営業利益増減率の予想は産業全体で6.9%増。だが、国内では厳しい産業がある一方で、海外では、米中貿易摩擦など不安材料も少なくない。ここでは、主要産業の産業天気図と、相対的に営業利益増加率が高い業種を中心に解説する。
医薬品は国内環境不安 鉄鋼は需要底堅い
『会社四季報 秋号』で、2019年度の営業利益の前期比増加率が13.3%と最も高かったのが医薬品業界。だが、国内環境は厳しい。2年ごとに行われる薬価改定(実質引き下げ)が今年度に行われたが、19年度も2年連続の薬価改定の動きが見られる。20年度は通常の改定年度であり、21年度からは薬価の毎年改定が予定され、実質的に毎年改定が始まることになりそうだ。こうなると、製薬大手でも国内販売の比重が高いメーカーには逆風が強まる。
一方で、海外、特に米国を中心に大型新薬を開発し、海外売り上げを伸ばすのが製薬大手に共通する基本戦略。業界首位の武田薬品工業が欧州大手のシャイアーを買収する狙いの一つにも海外強化がある。アステラス製薬やエーザイ、中外製薬、塩野義製薬は今18年度の業績は好調。海外製薬会社との提携を生かして海外での収益を高め、国内の逆風を克服しそうな勢いだ。
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