まだまだ元気だと思っていても親の最期は訪れる。看取り経験者600人が明かした苦労や後悔の数々。悔いなく見送るために、今からできることがある。
[独自調査]経験者600人の声から見えた看取りの教訓
「あなたのお父さんの体は、もう食べ物を必要としていません。終わりに向けて準備をしています」──。
北野洋子さん(仮名・47)は今年6月初め、実父(81)が入居する有料老人ホームの医師から冒頭のように言われ、余命は「長くて3カ月」と告げられた。父は5月末にこのホームに入居したばかり。そしてすぐ、父は食べ物を受け付けなくなった。
15年前にくも膜下出血で半身マヒとなり、在宅で長年介護をしてきたが、母が疲れてしまい、昨年9月に特別養護老人ホーム(特養)に入居した。だが今年4月、最も重度である「ステージ4」の一歩手前の大腸がんが見つかる。高齢で半身マヒの父に手術は難しく、食事と歩行のリハビリを行って退院した。以前の特養からは病状の重さを理由に受け入れを断られたため、今のホームに入った。余命宣告はその直後だった。
最期の思い出作り 30分間の帰宅
ホームは石川県の実家近くにあり、在宅医療の経験豊富な医師と看護師が24時間対応する。入居時に北野さん家族はホームと話し合い、容体が悪化しても胃ろうなどの人工栄養、人工呼吸器などの延命治療はしない旨を取り決め、書面に印鑑を押した。
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