「自分の親はまだ元気だから、介護をするなんて想像がつかない」──。そう考えている読者は少なくないだろう。
だが、介護は突然やってくる。65歳以上の人で介護が必要になった主な原因の1位は男性が脳卒中だ。女性の1位は認知症だが、骨折・転倒の割合は男性より多い。認知症高齢者の数は、2025年に65歳以上の高齢者の約5人に1人に達すると見込まれている。それでも、親が元気だと今すぐ“自分事”として考えるのは難しいかもしれない。
介護が必要になると公的介護保険サービスを使うために役所へ要介護認定の申請を行う。現在、75歳以上の3人に1人が介護保険の要介護認定者(要支援者含む)だ。親の介護と無縁でいられると思うより、いつかそのときが訪れると考えておくほうが現実的だ。
いったん介護が始まると、それはゴールの見えない持久走の始まりともいえる。介護期間は人によりさまざまで、10年以上続くこともある。だからこそ介護のおカネに関する心構えも欠かせない。
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