有料会員限定

職員と入居者で送り出す看取り介護の形 特養で迎える最期

✎ 1〜 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 最新
拡大
縮小

7月17日の15時前、特別養護老人ホーム(特養)「サニーヒル横浜」の1階に入居者とホームの職員が集まり、「お別れ会」が始まろうとしていた。

そこへ運ばれてきたのは、同日0時すぎに息を引き取った大塚陽子さん(仮名)。93歳だった。顔に掛けられた白い布がそっと外された。そして、居室担当だった職員がお別れの手紙を、時折声を詰まらせながら読み、「今度は天国のご主人と楽しく過ごしてください。ご冥福をお祈り申し上げます」と締めくくった。

次に大塚さんの息子が、「短い時間でしたが、先月、1年半ぶりに帰宅し、母は本当にうれしかったと思います。皆さんには心に寄り添う温かい介護をしていただきました」とお礼を述べた。全員で正面口に出て、大塚さんが乗せられた葬儀会社の車が施設を出ていくのを見届けた。

サニーヒル横浜の正面口。ここから看取られた人を送り出す

特集「親の看取り方」の他の記事を読む

サニーヒル横浜(2009年開設・定員140人)が看取り介護を始めたのは14年から。施設を運営する社会福祉法人隆徳会は、先に開設していた横須賀の施設で看取りを行っていた。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
伊藤忠が「8時前出社」導入で出生率急上昇のナゼ
伊藤忠が「8時前出社」導入で出生率急上昇のナゼ
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内