特別養護老人ホームでの看取り介護が注目されています。サニーヒル横浜では、職員の不安を乗り越え、家族と共に穏やかな最期を見届ける取り組みを続けています。音羽台レジデンスや上北沢ホームでも、独自の「お別れ会」や「見送り式」を通じて、死を共有し、入居者と家族に寄り添う姿勢を大切にしています。看取り介護の実績だけでなく、その背景にある思いを知ることが、施設選びの重要な要素となるでしょう。
7月17日の15時前、特別養護老人ホーム(特養)「サニーヒル横浜」の1階に入居者とホームの職員が集まり、「お別れ会」が始まろうとしていた。
そこへ運ばれてきたのは、同日0時すぎに息を引き取った大塚陽子さん(仮名)。93歳だった。顔に掛けられた白い布がそっと外された。そして、居室担当だった職員がお別れの手紙を、時折声を詰まらせながら読み、「今度は天国のご主人と楽しく過ごしてください。ご冥福をお祈り申し上げます」と締めくくった。
次に大塚さんの息子が、「短い時間でしたが、先月、1年半ぶりに帰宅し、母は本当にうれしかったと思います。皆さんには心に寄り添う温かい介護をしていただきました」とお礼を述べた。全員で正面口に出て、大塚さんが乗せられた葬儀会社の車が施設を出ていくのを見届けた。

サニーヒル横浜(2009年開設・定員140人)が看取り介護を始めたのは14年から。施設を運営する社会福祉法人隆徳会は、先に開設していた横須賀の施設で看取りを行っていた。
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