物語コーポレーション 創業者 小林佳雄 「個の尊厳」と「大家族主義」 異彩を放つ外食経営者
愛知県に本社を置く中堅の外食チェーン。有名とはいえないが連続増益を続けている。ブラック企業が多い業界にあって、掲げる理想は高い。
愛知県豊橋市、静かな住宅街に大正モダン風の一軒家が立っている。太いはりと白いしっくいの壁、ステンドグラスに高い天井、洗練された調度……。建築雑誌のグラビアから抜け出たような建物が、「物語コーポレーション(物語コーポ)」の本社である。
この元高級フランス料理店の建物を買い取って、拠点とした21年前、物語コーポの店舗数は5、社員はわずか7人だった。それが今や売上高445億円、店舗数424(直営222、フランチャイズ192)、社員1163人に成長した(2017年6月時点)。浮き沈みの激しい外食産業界で、和食から焼き肉、ラーメン、しゃぶしゃぶ、お好み焼きと多様な業態を展開し、中国にも進出。今期は13期連続で増収増益(経常利益ベース)の見込みだ。
会長の小林佳雄(こばやし・よしお 69)は、母親が営む割烹(かっぽう)を継ぎ、一代で東証1部上場企業を作り上げた。立志伝中の人ではあるが、そろばん勘定に血眼の経営者ではない。言葉を大切にし、進むべき針路を示す。最近では珍しい「教祖タイプ」のリーダーである。
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