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危険エリアが一目瞭然、首都圏空室率マップ »»Part1 潮目変わった不動産投資

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超低金利下の建設ラッシュで供給過剰が指摘される賃貸物件。空室リスクや物件価格など変化を読み解く。

最初に知るべきマクロ情勢

「やはり大学移転の影響が大きいと考えられますね」。不動産調査会社タスの藤井和之・新事業開発部長はそう語る。

タスは不動産会社の空室(募集)情報などを基に、独自の空室指標「空室率TVI」を算出している。満室稼働中の物件を母数から外しており、不動産管理業者などが開示する空室率より高めに算出される傾向があるが、地域間比較の参考にはなる。下図は2017年における1都3県のアパートの空室率TVIをマッピングしたものだ。

一見してわかるのは、神奈川県の中心エリアである横浜市や川崎市、また東京都の多摩市、昭島市、福生市、武蔵村山市、東大和市といった郊外エリアの空室率の高さである。1都3県における市区町村別の空室率を高い順に並べると、トップは多摩市となる。なぜ、地域別でこうした差が生じるのか。

大学の都心回帰で郊外の若年層が流出

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(注)マップは首都圏1都3県の市区町村におけるタス算出の「空室率TVI」を水準別に色分けし、マッピングしたもの。空室率TVI=空室数÷総戸数(ここでいう空室数、総戸数とは、住宅情報提供会社に登録された賃貸住宅データのもの)。空室率TVIは実態に近づけるため、経営難物件数と満室稼働中の物件数を母数から外したデータを使用している。その結果、サブリース業者や管理業者が開示する空室率よりも数値が高めに出る傾向がある

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その差の理由を見る前に、まずは賃貸物件の供給状況をおさらいしよう。

15年の相続増税、16年のマイナス金利導入を契機に、収益物件への投資が加速したのは前記事で触れたとおり。1都3県での貸家着工数を見ても、東京23区、神奈川県など都心やその付近のエリアはここ数年、着工数が右肩上がりで推移してきた。その結果、供給過剰の状況が生じつつあり、空室率は上昇傾向にある。

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