不動産投資にはメリットもあれば落とし穴も多い。挑戦するならばリテラシーの鍛錬が不可欠だ。
ブームが一服し、トラブルが表面化している不動産投資。今あえて始めるメリットは何か、どのようなリスクに気をつけるべきか。不動産コンサルタントで、業界のご意見番でもある、さくら事務所会長の長嶋修氏に聞いた。

さくら事務所会長の長嶋修氏。個人向け不動産コンサルティングの第一人者だ(撮影:尾形文繁)
他の投資とはどう違う?
シェアハウス問題など、一連のトラブルを見ていると、仮想通貨やFX(外国為替証拠金取引)と同じ文脈で不動産投資を検討している人が多いように思える。だが、不動産は本来、ミドルリスク・ミドルリターンの投資であり、大儲けや一発逆転を狙って始めるものではない。
株式投資やFXとの大きな違いは、金融機関のローンを活用して投資できることだ。
たとえば、1000万円の自己資金で年間80万円の家賃収入を見込める物件を買うと、表面利回りは8%。一方、1000万円の自己資金に加え、金利3%で2000万円を借り入れて、年間家賃240万円の物件を買うとする。見た目の利回りは前者と同じ8%だが、自己資金に対する利回りは18%と、2倍以上になる(利息支払い後)。
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