中国海軍の潜没潜水艦が初めて尖閣諸島沖の接続水域に入った。足元では日中関係の改善を優先している中国が、なぜ緊張を高める行動に出たのか。
1月10日、海上自衛隊の護衛艦および哨戒機は、宮古島の東北東の接続水域を北西方向に潜没航行する外国の潜水艦を確認した。この潜水艦は、宮古島の接続水域から東シナ海に出て、11日午前に、尖閣諸島の大正島の北東で再び日本の接続水域に入った。宮古島や大正島の領海を回り込んで西に向かった形だ。
12日、東シナ海に抜けた潜水艦は公海上で浮上し、中国国旗を掲げたことから、日本政府は中国海軍の潜水艦であると確認した。潜水艦は、他国の領海を航行する際には、浮上して国旗を掲げなければならない。もし潜没したまま領海内を航行すれば、撃沈される可能性もある。
潜水艦は、特殊部隊の潜搬入や機雷敷設などを隠密裏に行う能力によって沿岸国の脅威となる。その隠密性は潜没航行によって得られるのだ。領海の外側にある接続水域であれば、潜没航行しても国際法上とがめられることはない。それでも、中国が主権を主張する尖閣諸島に中国の潜没潜水艦が接近したら、日本が警戒するのは当然である。
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