10月25日に開催された財務省の財政制度等審議会の分科会では、2018年度の診療報酬・介護報酬の同時改定に向けた財務省の改革案が示された。
「調剤報酬について、今回多くの議論をいただいた。問題意識を(委員間で)共有できた」
会議後の記者会見で、分科会長代理を務める成城大学の田近栄治特任教授はそう述べ、次期報酬改定の柱の一つに、薬局の調剤報酬の大幅な引き下げを据える方針を示した。
この改革案に対して、日本薬剤師会の山本信夫会長はその翌日の定例会見で、「全体としては引き下げるための理屈を作っているようにしか受け取れない」と直ちに反論した。ただ、同日の政府の経済財政諮問会議で加藤勝信厚生労働相が調剤報酬の抜本的見直しを訴えるなど、薬局に対する逆風はやみそうにない。
薬局の収入である調剤医療費(記事下にキーワード解説)は、01年度の3.3兆円から16年度には7.4兆円へと2.2倍に膨らんでおり、調剤報酬見直しの声が上がる背景になっている。そして、調剤医療費急増の理由の一つとして考えられるのが、医薬分業の推進だ。下図のように、院外処方箋の割合(医薬分業率)は一貫して上昇を続け、16年は7割超。薬は病院や診療所の外の薬局で受け取ることがほとんどだ。
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