『現代朝鮮経済』を書いた三村光弘氏に聞く 政治が経済に配慮する経済の理論が浸透中

✎ 1〜 ✎ 139 ✎ 140 ✎ 141 ✎ 最新
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

軍事的挑発には圧力で対応と、北朝鮮に対する経済制裁が続いている。だが、その北朝鮮にこそどのような経済構造があり、どう機能しているのか。それを明らかにするテキストが出た。

現代朝鮮経済  挫折と再生への歩み (ERINA北東アジア研究叢書6)
現代朝鮮経済 挫折と再生への歩み (ERINA北東アジア研究叢書6)(日本評論社/208ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

政治が経済に配慮する経済の論理が浸透中

──北朝鮮といえば、餓死者が出るほど貧しいのに、軍事にばかりカネを使っているというイメージが日本では強いと思います。

これまで北朝鮮経済を概観できる本はあまりなかった。それは、特に1980年代以降、北朝鮮が信頼できるデータを発表していないためだ。韓国産業銀行や韓国銀行などの機関がデータを発表しているが、どこまで信頼できるかといえば疑問が残る。「社会主義経済」という北朝鮮経済の全体像をどう示すかは、本当に難しい。

──国際的な経済制裁が実施されている中、その実効性を含めて、北朝鮮経済をどう見るべきですか。

北朝鮮の国家体制では、経済は政治の付属物、従属変数でしかない。全体的な国際政治状況がどう動くかによって、大きな影響を受けると思う。

関連記事
トピックボードAD