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ロシアが北朝鮮を追い込まない理由 日ロ首脳会談を読み解く

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北朝鮮に強硬姿勢の日米だが、ロシアが慎重なのはなぜか。日ロ首脳会談の中身は。

9月7日、安倍晋三首相は昨年に続き、ロシア・ウラジオストクでプーチン大統領との19回目の日ロ首脳会談を行った。2016年12月のプーチン大統領の訪日を受けて、日本は北方領土問題の解決と平和条約の締結を視野に、そのための環境作りとしてのロシアとの信頼醸成プロセスのスタートラインに立った。

その主なアプローチは、(1)日本が提案したいわゆる8項目の経済協力プランに沿った経済関係の強化、(2)両国の主権を侵害しない「特別な法的枠組み」での北方四島における共同経済活動の実現、そして、(3)外交・防衛担当閣僚会合(2プラス2)を含むさまざまなチャネルを通じた外交・安全保障対話の強化の三つである。

今回の日ロ首脳会談もこの延長線上にある。(1)については、国際協力銀行(JBIC)とロシア直接投資基金との間での10億ドルの共同投資枠組みの設立を含む、官民で56の文章調印が行われた。

「特別な法的枠組み」の具体案が宿題に

(2)については、今回の日ロ首脳会談の結果、共同経済活動に関し早期に取り組むプロジェクトとして、海産物の共同養殖、温室野菜栽培、風力発電の導入など5件の候補が特定された。ただ、肝心の「特別な法的枠組み」については、双方の立場を害さない法的枠組みを検討し、できるものから実施していくこととされ、今後の交渉に委ねられている。

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