9月3日の北朝鮮による6回目の核実験(大規模で水爆の可能性がある)と同月9日の北朝鮮建国記念日に関するニュースの陰に隠れてしまい、マスメディアの扱いは大きくないが、同月7日、ロシアのウラジオストクで安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が会合した。
北方領土に関して「朝日新聞」は、〈経済連携の強化を弾みに、北方領土交渉を動かす糸口をつかみたいと臨んだ19回目の会談だが、ロシア側から投資活動の鈍さを指摘されるなど「温度差」が浮き彫りに。「肩すかし」の訪ロとなった。〉(9月7日「朝日新聞デジタル」)と、北方領土交渉が日本側の思惑どおりには進んでいないことを強く示唆している。
「産経新聞」の評価はかなり厳しく、主張(社説)で〈ロシアにただすべきことを、はっきりとただせたのか。対露外交の姿勢は今のままでよいか。/安倍晋三首相がプーチン大統領と19回目の首脳会談を行った。成果の有無以前の問題として、大きな疑問を抱く。/首脳同士が個人的な信頼関係を築き上げる意義は否定しない。だが、それは日本の国益にとり、実質的な成果を伴ってこその話である。/北方領土の返還そのものについての進展はない。核実験を強行した北朝鮮への圧力強化についても、ロシアを促すことはできなかった。きわめて残念である。/むしろはっきりしたのは、日本の期待など意に介さず、自らの実利だけを露骨に追求するロシアの姿勢ではないか。〉(9月9日「産経新聞」)と今回の日ロ首脳会談の意義自体を否定している。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら