予算が潤沢でない仕事や右肩下がり状態で請け負った仕事のほうが、なぜかその状況を逆転するアイデアが生まれやすいことに気づいた、と著者は言う。
──逆境こそがあえて“最強”のアイデアを生むチャンスとは?
クライアントが腹をくくるというのが、何より大きいです。どうやっても右肩下がりに歯止めがかからず、闇をさまよう本当の崖っ縁まで行って、ようやく今までのやり方ではダメなんだと全面改定を決断する。その気持ちにクライアントさんがまずなってくれるのが実はいちばん大事なんです。変化を望まないとたぶん最強のアイデアは出ない。もう腹をくくってかけるしかない、信じるしかないという状況になってくれると、やり方の自由度が高まる。おぼれてワラをもつかむ状態。ただ僕はそこでワラは絶対つかませないので。
──ワラはつかませない?
僕はそこですぐ沈むようなワラ程度のアイデアは出さない。必ず増収となるよう結果から逆算してアイデアを仕込む。従来のイメージを継続させず、ギャップをつけることを考えます。みんなを驚かせ、鮮度をよみがえらせる。マイナーチェンジじゃなく完全なるリニューアルなので、余計に結果の量というか幅が出やすくなる。
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