議論する。交渉する。指示する。人とビジネスを動かすのは言葉だ。わかりやすく論理的な書き方・話し方ができているか?
『「超」文章法』の著者が実践
文章作成術は音声認識AIで進化する
INTERVIEW|早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問 野口悠紀雄
野口悠紀雄氏は、執筆活動に極めて精力的に取り組んでいる経済学者だ。2017年は『ブロックチェーン革命』など4冊を刊行。さらにあと3冊、年内に予定しているという。書籍のほかにも、週刊誌とウェブ媒体で週4本の連載を持ち、これらだけでも毎週の執筆量は1万字以上と推測できる。記者の世界ではこういう人を“書き魔”と呼ぶ。野口氏が著述家ではないことを考えると、まさに魔に魅入られたような仕事ぶりである。
近年の驚異的な文章生産性の秘密は、スマートフォンの音声認識機能だ。昨年刊行の『話すだけで書ける究極の文章法 人工知能が助けてくれる!』は音声認識を使って書き上げたという。AI(人工知能)の技術革新で近年、音声認識の精度が飛躍的に向上しているが、一冊丸ごと「AIで書く」というのは、出版界でも例のない試みだ。
野口氏は15年前に自著『「超」文章法』で、論理的で説得力のある文章を書く技法を披露している。読み手が「ためになり、面白い」と感じるようにメッセージを発することが重要と説き、比喩や引用の具体的な技法もつまびらかにした。この基本を変えないまま、最新技術を取り入れたメソッドは、いわば「超・超」文章法だ。文章をめぐって進化する技法と変わらない本質を、野口氏に聞いた。
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