言葉の力が求められる職種に、営業を挙げる人は多いだろう。第一生命保険営業調査役の柴田知栄氏は、1999年度から18年連続で保険契約高社内トップの座に君臨する、スーパー営業ウーマンだ。
そもそも母の柴田和子氏が、30年連続で生保セールス日本一という大記録の持ち主。営業力は母から受け継ぎ、磨き上げたものだ。その知栄氏の言葉に対する配慮には、学ぶところが多い。
知栄氏は大きな声に少し早めの口調。「ワハハハ」とよく笑うこともあって、会話していると飲み込まれそうなぐらいパワフル、というのが記者の第一印象。だが印象と裏腹に、言葉遣いには細心の気配りがある。
「同じことでも、ポジティブな言葉で表したほうがいい。そう心掛けて、ポジティブ表現をすぐ口にできるよう、つねに意識している」というのだ。たとえば、「『遅刻しないでね』と言われると、おかしなことに本当に遅刻してしまう。だからそういうときは、『先に早く行ってますね』と言い換える」(知栄氏)といった具合だ。
この発想に倣えば、「失敗しないように頑張ってください」は「うまくいくように応援しています」、「早くから準備しておいてください」は「早めの準備が成功のポイントです」と言い換えることができる。確かにこういった肯定的な表現で、聞き手が抱く印象は格段によくなる。
肯定的な言葉を使った言い換えは、メンタル医療のカウンセリングなどでも近年多く取り入れられている。ビジネストークとして印象がよいだけではなく、言った後・聞いた後の行動にポジティブな変化を促す効果があるようだ。
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