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推敲なくして名文なし ビジネス国語7レッスン 7

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[教える人]コミュニケーション技術研究家──藤沢晃治氏

身近でわかりやすい文章の代表といえば、新聞記事だろう。新聞が読みやすい理由は二つある。一つは、本特集で伝えているような文章の基礎を踏まえて書いていること。もう一つは、完成した文章を複数の人が読み、改善策を施していることだ。記者の原稿をデスクが直し、さらに校閲担当者が入念にチェックしている。

個人の場合、日々の文章を複数の人にチェックしてもらうのは現実的ではない。だが書き手自身の推敲でも、確実によくなる。推敲のコツを教えてくれるのは、ロングセラー『「分かりやすい文章」の技術』の著者で、コミュニケーション技術研究家の藤沢晃治氏だ。

藤沢氏はまず大前提として、多くの人が無意識に抱く誤解を指摘する。「読み手は自分の文章を、一字一句精読してくれると思いがち。だが実際には斜め読みがほとんどだ。だから推敲を加え、斜め読みに耐えうる読みやすい文章にする必要がある」。

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文章を削る3つの方法

実際に推敲する前のステップとして藤沢氏は、書き上げた文章をすぐチェックせず寝かせることを推奨している。「すぐに推敲すると、『意図マスキング現象』が起こり、改善すべき点を見落とす」と言うのだ。意図マスキング現象とは藤沢氏の造語。自分の脳内に意図、すなわち専門知識や事の経緯といった事前情報があるため、文章のあらが見えにくくなる状態を指している。

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