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米原発の破綻を無視 東芝危機の本質 債務超過で迷走

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売却した医療機器事業出身の綱川智社長。債務超過から脱却させられるか(撮影:尾形文繁)

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監査法人との対立から東芝が発表を延期していた2017年3月期の有価証券報告書。「限定付き適正」で提出したのは法律で定められた期日から41日遅れの8月10日だった。そこには危機の深刻さを再認識させられる数値が並ぶ。当期損失は9656億円、3月末の「債務超過」の額は5529億円に達した。

健全な会社は資産が負債を上回る。その超過額が資産全体の3割程度というのが、一般に安全とされる水準だ。一方、負債が資産を上回るのが債務超過で、銀行からの融資停止や上場廃止、資金繰り悪化による倒産が不安視される。

巨額買収は11年で破綻 残った損失は1兆円超

なぜ東芝はここまで追い込まれたのか。直接の原因は、米原子力子会社・ウエスチングハウス(WH)が3月末に米国連邦倒産法第11章(チャプター11、以下C11)の適用を申請したこと。これにより、東芝は17年3月期に約1兆2800億円もの関連損失を計上したのだ。

WHが米国で受注していた4基の原子力発電所建設プロジェクトの工事が大幅に遅延。工事費用が雪だるま式に膨張したことがC11申請の背景にある。一定価格で完成させる契約をしていたWHが負担に耐えきれなくなったのだ。

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