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行き過ぎたROEブームの落とし穴 会計トピック1

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経営者が重視する「ROE」。ただし高ければいいとは限らない。

株主総会が集中した今年6月、「ROEが低いと取締役の選任議案に反対票」といったニュースが各紙で取り上げられるなど、“ROE”という言葉を目にする機会が増えた。

ROE(自己資本利益率)とは、Return On Equityの略称で企業の収益力を測る物差しだ。下図のように、自己資本(正確には株主持ち分)に対する純利益の割合で計算される。株主の投じた資本を元手に、企業が1年間でどれだけの利益を稼いだかを知ることができる。

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別の視点からROEを見ることも可能だ。分母を売上高×総資産×自己資本、分子を純利益×売上高×総資産と表すことで、収益性を示す「売上高純利益率」と効率性を示す「総資産回転率」、財務健全性を示す「財務レバレッジ」の三つの指標に分解することもできる。

ROEと並ぶ重要な経営指標として、ROA(総資産利益率、Return On Assetsの略称)があるが、違いは分母に総資産を使うことだ(ROAの分子は純利益以外に営業利益、経常利益を使ってもよい)。ROEが株主目線なのに対して、ROAは他人資本を含めたすべての資産でのリターンを見る。

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