NTT社長「光コラボで面白いものが出てくる」 稼ぎ頭のドコモが変調、どうするNTT(下)

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巻き返しの一手に位置づけられる「光コラボ」。鵜浦社長は「中期的にみてほしい」と強調した
国内でグループの収益柱のNTTドコモが変調をきたしている。音声定額を含む新料金プランを6月に投入したところ、予想以上に加入者が多く、最も低額なデータ通信プランに人気が集中したことで収益にはマイナスに働き、通期の営業利益予想は通期で1200億円の下方修正となった。
収益挽回に向けて、NTTの鵜浦社長はドコモに注文をつけた【関連記事「稼ぎ頭のドコモが変調、どうするNTT(上)」】。一方、グループの巻き返しの一手と位置づけられるのが、今年5月に公表した卸売りサービスだ。
来年早々、NTT東日本、西日本が光回線サービス「フレッツ光」を卸売りし、パートナーが自社のサービスとして活用できる「光コラボ」を開始する。新たな展開はどれだけの”突破力”を示せるのか。NTTの鵜浦社長にその狙いを聞いた。

 

―光コラボを公表後、どれくらいの問い合わせがきているのか。

400社を超えている。既存の通信事業者以外からの問い合わせが多い。NTT東日本、西日本と具体的な話が進展しているのは、携帯事業者やISP(インターネット接続事業者)といった通信系だ。その次のステップでは新規プレーヤーが現れて、従来のサービスの価値を高める取り組みや、通信事業者を捲き込むサービスが出てくることに期待している。本質的にやりたいのはここだ。瞬間風速的なものではなく、中期的に見ていただきたい。面白い取り組みも出てくる。

――当初、この12月にサービスを提供する予定だった。遅れた理由は?

 理由は複合的なものだ。誰が悪いとか、そういうことではない。NTT東西がさまざまな準備に時間がかかったことも事実。総務省の特別部会もここまでじっくりと(議論を)やるとは思わなかった。

ただ、1カ月や2カ月の遅れで致命傷になることはない。ドコモだけでなく、パ-トナーが販売できる体制を2月までに整えたい。ひょっとしてドコモは早くできるかもしれないが、そろってやれるほうがよいだろう。

 保険会社もパートナー

――固定回線は解約されにくい。陣取り合戦が激化するのではないか。

第1次の獲得競争は起きるだろうが、それだけでは終わらない。たとえば、異業種のプレーヤーがドコモ光を含めた形でサービスを提供することがあってもいい。固定と移動にプラスアルファした形のサービスがあってもいい。

料金の割引だけではない。たとえば、生命保険会社が健康管理や食事管理をセットにして、モバイルと光回線も活用するとしたら、かなり大きなサービスになる。ドコモを含めてBtoBでやってもいい。逆に、携帯事業者が保険ビジネスと組み合わせてもいいだろう。

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