不可能といわれた年間200勝超えを三度達成し、史上最多のダービー5勝、日本人騎手初の海外GⅠ制覇など、数々の金字塔を打ち立ててきたのが武豊だ。今年は前人未到の通算4000勝を挙げ、足跡そのものが日本の競馬小史といえる天才だが、その騎手人生は順風満帆ではない。勝ち鞍が急減し、極度の成績不振に苦しんだ時期がある。
そのきっかけは2010年、落馬による負傷だった。3月27日、阪神競馬場で行われた毎日杯の直線で、騎乗馬が左前脚を骨折して転倒した。武はコースにたたきつけられ、左鎖骨遠位端骨折、腰椎横突起骨折、右前腕裂傷の重傷を負った。
デビュー以来最長となる約4カ月のブランクを経て復帰にこぎ着けたが、長期離脱が響き年間69勝でリーディング15位にとどまった。翌11年もリズムに乗り切れず、年間64勝と低迷。23年まで伸ばしていたJRAの最多連続GⅠ勝利記録も途切れた。さらに12年はデビュー以来最少となる56勝まで落ち込んだ。
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら